- Campeonato Paulistaカンピオナート・パウリスタ
前半の終了間際に生じた謎の誤審 何もしていない選手にカードを出してクラシコに水を差す
カンピオナート・パウリスタの「コリンチャンス vs パウメイラス」戦で起きた主審のあるまじき勘違い
▲ 前半アディショナルタイムにガブリエウ(左)に向けてレッドカードを提示した主審のチアゴ・ドゥアルチ・ペイショート氏
誤審が生まれたのは、前半のアディショナルタイムに突入してすぐ。自陣でボールを奪い取ったパウメイラスがカウンターに転じると、左サイドでケーノがドリブルを開始。スピードを上げて相手陣内を前進するケーノを止めようとしたマイコンは、追いかけて背後からケーノの右肩を掴んでユニフォームを引っ張った。ケーノはその直後にパブロにボールをカットされた上で転倒すると、主審はプレイを止める。するとノーファウルを主張するパブロの背後で、ケーノがガブリエウを指して何かを主張。主審は躊躇せずガブリエウに対してイエローカードを提示すると、さらにはレッドカードを提示してガブリエウの退場を命じた。
前述のジャッジは明らかにケーノと主審による勘違いの連鎖であり、最終ラインのカバーリングに従事していただけのガブリエウにとっては青天の霹靂。カードを出されたガブリエウは困惑した表情で主審に潔白を主張すると、パブロは誤審を主張。そして勢い余って最終ラインまで下がっていたマイコンは主審に駆け寄って「ガブリエウは何もしていない!仮にカードを出すとしても俺にだろ!」と抗議した。しかし判定は覆ることなく、ガブリエウは退場処分となった。呆れた表情を浮かべたガブリエウは第4審判に口頭で抗議すると、怒りを募らせてピッチの芝生を蹴り上げる。さらにはピッチサイドにあった資材をも右足で蹴り上げて、納得のいかない様子でスタンドの奥へと消えていった。
▲ 主審のチアゴ・ドゥアルチ・ペイショート氏は毅然とした態度でガブリエウの退場を指示したが、あからさまな誤審であった
あるまじき誤審を受けて、コリンチャンスのホベルト・ジ・アンドラージ会長はチアゴ・ドゥアルチ・ペイショート氏に向けて「金輪際、公式戦で笛を吹くな」と立腹。そしてFPF(サンパウロ州サッカー連盟)は同氏に対し、近日中にレフェリーとしての適性再検査を実施する意向を示した。批判の矢面に立たされた主審は、誤審を認めた上で「私は今後もレフェリーの仕事を続けたい」と吐露したが、適正再検査の結果次第では願いが叶わない可能性もある。
なお、この試合は試合終了間際に元ブラジル代表FWジョのゴールが決まってコリンチャンスが勝利。数的不利でもホームで結果を出せたため事なきを得たが、仮に敗れようものならコリンチャーノ(コリンチャンスのサポーター)の一部が暴徒化していた可能性は多分にある、それほどの重大な過失であった。
※ この試合のレビュー記事はこちら。
▼ 図解で見る「誤審が生まれた経緯」
▲ 1.パウメイラスのFWケーノがドリブルでカウンターを開始。ケーノを止めようとマイコンが背後から追いかけ、ガブリエウは左サイドでフリーのドゥドゥをケアすべく下がっていく
▲ 2.ケーノを追いかけるマイコンがケーノに接近。一方、コリンチャンスの最終ラインはズルズルと下がっていく
▲ 3.追いついたマイコンが背後からケーノの右肩を掴む。それを受けてボールを奪えると判断したパブロがケーノに接近
▲ 4.パブロはボールのクリアに成功。ケーノは直後に交錯して転倒し、主審がプレイを止めた
▲ 5.主審がプレイを止めてイエローカードを出そうとする。転倒したケーノは勘違いで何もしていないガブリエウを指す
▲ 6.ケーノの勘違いにインスパイアされた主審はガブリエウに2枚目のイエローカードを提示。この判定が通れば数的不利となるコリンチャンスのイレブンは猛抗議したが、判定は覆らなかった
2017.02.22
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