1月25〜27日に行われたリーガMX（メキシコ1部リーグ）の2019 後期の第4節。モンテレイで行われた「モンテレイ×クルブ・アメリカ」は、退場者が4人出る荒れた90分になった。

最初の退場者は、始まってすぐにモンテレイから生まれる。4分にスルーパスで最終ラインの裏を上がったアビレス・ウルタードが、飛び出したキーパーと交錯。ボールは元アルゼンチン代表GKアグスティン・マルチェシンが先にキャッチしたが、その際にアビレス・ウルタードの右足がマルチェシンの右膝に乗っかる形になった。キーパーが右膝を押さえて悶絶する様子を見て、プレイを止めた主審はVAR（ビデオアシスタントレフェリー）システムによる映像確認を行い、キーパーの右膝をスパイクの裏で踏みつけたとしてウルタードにレッドカードを出した。

数的不利に陥っても、モンテレイは13分に先制。元アルゼンチン代表FWロヘリオ・フネス・モリが倒されて得たPKを、ニコラス・サンチェスが冷静に決めてスタンドの大歓声を誘った。

前半は数的有利のクルブ・アメリカが厚い攻撃を仕掛けていった。元アルゼンチン代表GKマルセーロ・バロベーロのファインセーブもあったが、24分にエドソン・アルバレスがペナルティエリアの中央で打ったシュートがキーパーに当たってボールの勢いが弱まりながらもゴールラインを割り、クルブ・アメリカが 1-1 の同点とした。

後半、立ち上がりの48分にコロンビア代表DFステファン・メディーナの右足を削ったホルヘ・サンチェスが退場になって、クルブ・アメリカの数的有利は終了。すると56分にはロヘリオ・フネス・モリのカウンターをショルダーチャージで妨害したビクトル・アギレーラが二度目の警告で退場処分を受けて、今度はクルブ・アメリカが数的不利に陥った。

モンテレイは60分に攻め込むと、ロヘリオ・フネス・モリがペナルティエリアで倒される前に相手のハンドがあった旨をVARが主審に伝えたことで、PKをもらった。だが、ロヘリオ・フネス・モリが蹴ったPKはキーパーにコースを読まれてセーブされてしまった。そしてこの直後にニコラス・サンチェスにレッドカードが出されて、ピッチ上は9人vs9人になった。

ここから真価を発揮したのは、ロヘリオ・フネス・モリだった。まずは66分に味方がペナルティエリアまで運んだボールを右足でゴール右隅に蹴り込むと、その3分後には右からのクロスを右太ももでトラップして、高く上げた右足でボールを落とし、左足を振り抜こうとしたところでスライディングでシュートコースをふさごうとしたパラグアイ代表DFブルーノ・バルデスをシュートフェイントで欺くと、右足でキーパーの逆を突くシュートを決めた。このゴールは、元フランス代表FWミシェル・プラティニがトヨタカップで決めたリフティングボレーシュートを彷彿とさせるようなスーパープレイであった。

クルブ・アメリカは80分にブルーノ・バルデスのゴールで1点を返したが、ロヘリオ・フネス・モリが挙げた2ゴールが効いてモンテレイに軍配が上がった。

リーガ BBVA Bancomer MX （メキシコ1部リーグ） 2019 後期　第4節　（2019/01/26）
モンテレイ	3-2	クルブ・アメリカ
マルセーロ・バロベーロ	GK	アグスティン・マルチェシン
ヘスス・ガジャルド セーサル・モンテス ニコラス・サンチェス ステファン・メディーナ	DF	パウル・アギラル ブルーノ・バルデス ビクトル・アギレーラ ホルヘ・サンチェス
セルソ・オルティス カルロス・ロドリゲス （ジョナタン・ゴンサーレス） ドルラン・パボン （エドソン・グティエレス） マキシミリアーノ・メサ （ホアン・バスケス） アビレス・ウルタード	MF	ギド・ロドリゲス エドソン・アルバレス アレックス・イバーラ クリスティアン・インサウラルデ （ルイス・レジェス）
ロヘリオ・フネス・モリ	FW	エンリ・マルティン （アントニオ・ロペス） （フェルナンド・ゴンサーレス） ロヘル・マルティネス
（PK）　ニコラス・サンチェス　13 ロヘリオ・フネス・モリ　66 ロヘリオ・フネス・モリ　69	ゴール	24　エドソン・アルバレス 80　ブルーノ・バルデス
ニコラス・サンチェス ロヘリオ・フネス・モリ	イエロー カード	ビクトル・アギレーラ ルイス・レジェス エドソン・アルバレス
アビレス・ウルタード ニコラス・サンチェス	レッド カード	ホルヘ・サンチェス ビクトル・アギレーラ
ディエゴ・アロンソ	監督	ミゲル・エレーラ
主審：　フェルナンド・ゲレーロ・ラミーレス 会場：　エスタディオ・BBVA・バンコメール　（モンテレイ）