7月1日に行われたFIFAワールドカップの決勝トーナメント1回戦。サンパウロ州の州都サンパウロで行われた「アルゼンチン×スイス」は、延長後半の終了直前にようやく先制したアルゼンチンが辛勝。かろうじてベスト８に勝ち上がった。

立ち上がりからボールを支配したアルゼンチンは、25分にイグアインがフリーキックに頭で合わせたがシュートはクロスバーの上を通過。逆にスイスは28分に味方のシュートのこぼれ球をシャキリがミドルシュート。しかしボールはGKロメーロの正面に飛び、得点にはつなげられなかった。38分にはカウンターでキーパーと1対1の状況を作ったが、ドルミッチのループシュートは弱々しくGKロメーロの正面に飛び、ともに決定機をものにできずに前半を終了した。

0-0 で迎えた後半、スイスは49分にフリーキックからチャンスを作ると、52分にはリカルド・ロドリゲスがミドルシュートでゴールを脅かした。アルゼンチンは58分に速攻で左サイドを上がったロホが左足でシュート。惜しくもキーパーに阻まれたが、62分にはイグアインのヘディングシュートで相手ゴールを脅かした。68分にはペナルティエリアの手前からメッシが強烈なボレーシュートを打つも、ボールはクロスバーを超えてしまい、ゴールとはならなかった。

膠着状態を打破できないアルゼンチンは77分にメッシがシュートコースを作って左足を振り抜いたが、キーパーが身を挺してゴールを死守した。

試合はスコアレスのまま延長に突入。攻め続けたアルゼンチンは、延長後半の3分にディ・マリアがペナルティエリアの手前で左足を振り抜いたが、枠を捕らえたシュートはキーパーが右手一本で外に弾き出した。

アルゼンチンは再三に渡り攻め続けたが得点を奪うことができない。しかし 0-0 のままPK戦の空気が漂い始めた延長後半の13分に、アルゼンチンは待望の先制点を奪った。センターライン付近でボールを奪ったパラシオがメッシにパスを出すと、メッシはドリブルで前進。一人を抜き去ってペナルティアークに近づいたメッシは、相手を引きつけて右にパスを出した。フリーになっていたディ・マリアが左足でゴールに流し込み、アルゼンチンが 1-0 とリードした。

スイスは延長後半16分に右からのクロスをジェマイリが頭でゴールに押し込もうとしたが、シュートはポストに当たって跳ね返ると、ジェマイリの太ももに当たってエンドラインを割ってしまった。スイスは千載一遇のチャンスをものにできず、アルゼンチンが勝利を収めた。

2014 FIFAワールドカップ　ブラジル大会　決勝トーナメント1回戦　（2014/07/01）
アルゼンチン	1-0	スイス
セルヒオ・ロメーロ	GK	ディエゴ・ベナーリオ
パブロ・サバレータ フェデリコ・フェルナンデス エセキエル・ガライ マルコス・ロホ （ホセ・マリア・バサンタ）	DF	シュテファン・リヒトシュタイナー ヨハン・ジュルー ファビアン・シェア リカルド・ロドリゲス
ハビエル・マスチェラーノ フェルナンド・ガーゴ （ルーカス・ビリア） アンヘル・ディ・マリア	MF	ギョクハン・インレル グラニト・ジャカ （ジェルソン・フェルナンデス） バロン・ベーラミ ジェルダン・シャキリ
エセキエル・ラベッシ （ロドリーゴ・パラシオ） ゴンサーロ・イグアイン リオネル・メッシ	FW	アドミル・メーメディ （ブレリム・ジェマイリ） ヨシプ・ドルミッチ （ハリス・セフェロヴィッチ）
アンヘル・ディ・マリア　118	ゴール
マルコス・ロホ アンヘル・ディ・マリア エセキエル・ガライ	イエロー カード	グラニト・ジャカ ジェルソン・フェルナンデス
アレハンドロ・サベーラ	監督	オットマール・ヒッツフェルト
主審：　ヨナス・エリクソン　（スウェーデン） 会場：　アレーナ・コリンチャンス　（サンパウロ）