- Copa do Brasil 2006コパ・ド・ブラジウ 2006
得点王の栄光から12年… 夜遊び、アルコール依存症、麻薬中毒と荒廃してホームレスに
2006年のコパ・ド・ブラジウで得点王に輝いたバウジランが35歳の若さでホームレスになっていた話
▲ 2006年のコパ・ド・ブラジウで6ゴールを決めて得点王に輝いた過去を持つバウジランだが… (写真はバスコ・ダ・ガマで活躍していた2006年のもの)
ホームレスになってしまったのは、2006年のコパ・ド・ブラジウ(ブラジルの国内カップ戦)で得点王に輝いたバウジランという選手で、35歳の現在は所属チームこそないが引退はしていない。得点王になってからこれまでの12年間で、いったい彼の身に何があったのか。
前述の得点王から年が明けた2007年にバスコを退団する羽目になったバウジランには、兼ねてから夜遊び癖や大量飲酒、さらに薬物摂取など私生活の問題を抱えていた。年に3回という異常なペースで所属チームを転々としながらも、彼なりに更正を試みたが、染みついた生活習慣は簡単に変えられず。バスコを最後に、ブラジレイロンでセリエAに相当する格のクラブチームからは声がかからなくなっていった。
30歳が目前に迫った2011年に、アルコール依存と薬物依存からの脱却を決断したバウジラン。だが、医療機関を積極的に活用したものの、中毒を克服することはできなかった。「酔っているときの私は、自分をコントロールできなくなってしまうんだ」 己の異常性を自覚しながらも、彼は解脱できなくて悩んでいる様子だったという。
2015年に膝の手術をした彼は、2016年に旧知の友人によるサポートを受けて協会を訪問。牧師の教示を支えに研修を始めた。選手としての戦列復帰を目指していた彼は、翌2017年にバイーア州のアトランチコというクラブチームに入団。だがすぐにコーチとの軋轢が生じると、妹を訪ねてサンパウロへ行ったきりチームには戻らなかった。
バウジランはほんの少し前まで、リオ・デ・ジャネイロ州北部の街ボンスセーゾにいた。特定の住まいはなく、破産したレストランに設置されてある日よけ屋根の下で、他の男性3人とともに雨から身を守る共同生活を強いられていた。現役選手ではあるが所属先はなく、実質「住所不定・無職」だった。そんな惨状を見かねた古巣バスコ・ダ・ガマが救いの手を伸ばし、バウジランは現在バスコのリハビリ施設で療養中の身となっている。
本人は選手として試合に出ることへの意欲を失っていないというが、一時はホームレスまで墜ちた男の戦列復帰はこの先実現するのか。
◆ バウジラン
本名:バウジラン・カイターノ・ジ・モライス
1982年10月30日生まれ(35歳)
出身:ブラジル(ペルナンブーコ州カニョチーニョ)
身長:175cm
ポジション:フォワード
2000年にCRBの下部組織からトップチームに昇格したが、すぐに貸し出される。2003年にはベレネンセス(ポルトガル)へ移籍したが2ゴールに留まり、2005年からは母国のクラブチームを渡り歩くことに。キャリアのピークは2006年で、元ブラジル代表FWホマーリオ(当時)の次にバスコ・ダ・ガマでゴールを量産。同年のコパ・ド・ブラジウでは6ゴールを挙げて得点王にも輝いた。しかしその後は渡り歩いたチームで出場機会に恵まれず、私生活も荒廃。2015年には膝を手術し、2018年にはリオ・デ・ジャネイロ州内でホームレスになっていることが報じられた。
2018.02.23
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