- Campeonato Brasileiro Serie A 2021ブラジル全国選手権 1部 2021
2021年のブラジルには「オフ」がない!? 選手無視の強行過密日程を敷く連盟に批判殺到
CBF(ブラジルサッカー連盟)が発表した2021年のブラジルサッカーカレンダーに対する世間の反応
▲ 2021年2月のブラジルサッカーのスケジュール
2020年はブラジルのみならず、世界中のサッカースケジュールが大幅な変更を余儀なくされた。その原因は言わずもがな COVID-19(新型コロナウイルス感染症)で、ブラジルにおいては各州選手権の終了時期が4月末から7〜9月(州によって異なる)に延びたせいで、全国規模のブラジレイロン(カンピオナート・ブラジレイロ)の開幕は5月頭から8月8日に、閉幕は翌2021年の2月24日にそれぞれずれ込んでいる。
そうした経緯から、CBFは2021年の各州選手権の開幕を2月28日に設定。つまり、ブラジレイロン閉幕の4日後に州選手権が開幕することになり、ブラジルのクラブチームに所属する選手は今季終了後にオフを取れない過密日程が敷かれたのである。さらに、コパ・アメリカの開催期間中もブラジレイロンは中断せず並行して行われるという。CBFによれば、このようにしなければ2021年のブラジレイロンを12月に閉幕できないから、としている。(※ 2021年のブラジレイロン閉幕は2021年12月5日を想定)
前述の発表を受けて、SAFERJ(リオ・デ・ジャネイロ州フットボールユニオン)のアウフレード・サンパイオ会長は、2021年のスケジュールが選手にとって過酷である点に懸念を示した。
「2021年のカレンダーは非常に複雑になると予測はしていた。だが現実的には2021年に無理をするしかないことも理解はしている。2022年はワールドカップがある年だから、2022年にスケジュールが複雑になるのを避けたい意図がCBFにあるのだろう。しかも今は事情が事情(COVID-19)だけに、完璧なシナリオはない」
「サッカーは、人類史の困難な時期とは切り離せないから、残念ながら選手は少なからず犠牲を払うことになってしまうだろう。ゆえにカレンダーを設定できる立場の人間に常識があるかどうかが重要であり、さもなければカレンダーをさらに混乱させかねない」
2021年にオフを設けないスケジュールについては、少なからず批判が出ている。「Folha de São Paulo」とUOLでコラムを連載しているスポーツジャーナリストのジュッカ・フォウリ氏は、CBFの発表を猛然と批判している。
「犯罪だ! フットボールに対する犯罪! こんな過密日程ではブラジルサッカーのレベルはますます低くなり、故障も増えるし、さらには多くの選手がブラジルでのプレイを嫌がり欧州へ行きたがる。そうしてますますブラジルサッカーのレベルは低下する」
補足までに例年のブラジルでは、ブラジレイロンの全日程が終了する12月上旬から、各州選手権が開幕する1月下旬までの約1ヶ月半が「選手のオフシーズン」となっている。(一部例外あり)
果たして、オフを設けず今季閉幕のわずか4日後に各州選手権の開幕に踏み切るCBFの決定は、ブラジルサッカー界にどのような歪みをもたらすのか。
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2020.08.05
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